【第2回】営業ができる人とは

2026-07-14 13:01:41 経営コラム

前回は「できる社会人」について説明しましたが、今回は「営業ができる人」をテーマに進めたいと思います。「営業ができる人(営業に向く人)」というと兎角、「明るく社交的で話の上手い人」というイメージがありますが、私は「口数少ない内気な人」でも十分に営業ができると考えています。その人のタイプに合わせた営業スタイルを構築すれば良いだけです。

 

どのようなタイプの人間かを問わず、「できる営業」になるために必要な要素として、私は4つに集約しています。営業の教育や日頃の営業活動に是非、取り入れて欲しいと思います。

 

1. お客さまから好かれ、信頼される人

2. 深い商品知識を有している人

3. 提案力のある人(1、2の両方を踏まえて)

4. PDCAがきちんとできる人

 

1. お客さまから好かれ、信頼される人

営業は理屈抜きに、お客さまから人として好かれ、信頼されることが大切です。社会人偏差値=「心」×「頭」でいうところの「心」に当たります。私は若い営業に対して、「とにかくお客さまから可愛がられろ」というのが口癖でした。「人懐こい」ことは可愛がられることに直結しやすいですが、そうでなくても、「真面目」、「誠実」、「謙虚」、「マメにコンタクトすること」などは可愛がられる大きなポイントとなります。また、「言われたことはすぐやる」「仕事が丁寧」「いい加減なことを言わない」などの積み重ねは、「信頼」の源泉となります。獲得するまでは一生懸命だが、それ以外はいい加減という営業も見てきましたが、そんな営業は長続きしませんし、私は「ダメ営業」の烙印を押しています。

 

2. 深い商品知識を有している人

深い商品知識を有している人は、社会人偏差値=「心」×「頭」でいうところの「頭」に当たります。1の「心」は非常に大切ですが、自社商品に関する十分な知識がなければ、モノは売れません。よって、「心」×「頭」であることが肝要なのです。商品知識に関して大切なことは、「深い」商品知識を有していることです。「深い」知識を持つということは、「何となくボンヤリ頭に入れている」レベルではなく、「営業内の誰よりも商品知識がある」、「頭に刻み込まれていて、空で説明できる」レベルにあるということです。知識を増やすには、本人が勉強するしかないのですが、社内において、「ロールプレイング」を行う、「勉強会」を実施する、「試験」を実施するなどの工夫を行うとよいでしょう。最後にモノを言うのは「知識量」であることを肝に銘じておくとよいでしょう。

 

3. 提案力のある人(1、2の両方を踏まえて)

営業において提案力があるとは、見栄えのする提案書を作成して、お客さまに納得してもらうプレゼンテーション(以下、プレゼン)行うことであると、誰しも考えます。確かにそうであるものの、提案書やプレゼンだけで提案の優劣は決まらないと、私は考えています。それは、日ごろからのコミュニケーションや信頼関係が土台にあって、その上に提案書やプレゼンが乗ってくるということです。これは既存客だけでなく、新規客であっても当てはまります。私の経験で言うと、たまに飛び込みで訪問し、情報提供などを行っていた新規客から「プレゼンに参加しませんか」と声がかかり、めでたく数千万円の大型案件をライバルから奪取したことがあります。提案書やプレゼンが評価されたことは間違いないのですが、日ごろからの人間関係がものを言った典型例であると思います。

 

提案力を磨くために覚えておいて頂きたいのは、提案書をひと言で言えば、「お客さまの課題解決ストーリー」であるということです。簡単に説明すれば、「お客さまを取り巻く外部環境」⇒「お客さまの抱える課題(現状分析)」⇒「課題の真因(真の原因・要因)の追究)」⇒「課題解決のための方策(自社のアピールポイントを含めて)」⇒「お客さまが得られるメリット」というストーリーを、分かりやすく書面にすることです。話すことより、ストーリーをしっかりすることのほうが、提案においてはより重要であると、私は考えています。

(提案については、別の機会にお話ししたいと思っています)

 

4. PDCAがきちんとできる人

営業を長くやっていて強く思うことは、営業活動が行き当たりばったりという人がいかに多いことか。これではなかなか成果は出ません。私が営業責任者を務めていた時に、部下に強制的に課したのは、「週間予定表」を毎週作成し、私に提出させたことでした。これはPDCAを頭と体に染み込ませるための手段として、「週間予定表」を義務化したのです。私の経験では、誰からも言われず、自ら主体的にきちんとPDCAを行う営業は、2割程度しかいません。計画的、効率的に動くためには、金曜日にその週の数字や行動を振り返り、仕事を整理したうえで、翌週の数字や行動の計画を立てるかが勝負です。PDCAをひと言で言えば、「ゴールからの逆算」です。営業はゴール(売上など数字の目標)から逆算して、限られた時間軸の中で、いかに手っ取り早くゴールにたどり着くかというゲームを行っているようなものです。手っ取り早くゴールにたどり着くため重要なのは、「どこに当たるか(マーケティング・ターゲティング)」、「どのくらい行動するか(行動量)」、「何を提案するか(提案)」で、これらをPDCAに基づいて、「科学的に」営業することが、成功の近道だと考えています。

(執筆:現場経営の達人)