【第3回】会社の数字に慣れ親しもう

2026-07-21 16:17:33 経営コラム

会社の数字というと、「経理・会計」、「財務」を思い浮かべ、「とっつきにくい!」、「難しくてわからない!」などと言う人も多いですね。しかしながら、「企業経営は100%数字の世界」であるため、数字抜きで経営を語ることはできません。そこで、数字に苦手意識を持つ人向けに、まずは数字に慣れ親しむための方法について触れたいと思います。

 

1. 何でも数字で表現する

会社のことはほとんど何でも、数字で表現できます。「売上」、「コスト」、「利益」、「時間」、「数」、「量」、「人数」、「資産」、「負債」、「資本」など、あらゆることが数字で表現されますよね。「じゃあ、コミュニケーションはどう数字で表現したらよいのか」という質問に対しては、「時間」で表現できますと回答します。

 

例えば、「確認不足で資料の手戻りがあり、やり直しに3時間費やした」となれば、4,000円/時×3時間=12,000円の「時間コスト」が無駄に費やされたということになります。確認というコミュニケーションを取っておけば、3時間も無駄に時間が費やされることがなかったのに、それによって、無駄なコストが出てしまったということです。

 

また、営業会議の場で、数字が出てこない発表をする人がいます。これは、数字を見て営業していない、数字の管理をしていない、数字から具体的な行動や対策を考えていないということです。こんな営業担当者は間違いなく成果が出ません。

 

ですから、日頃から数字で考え、数字で表現することを心掛けて頂きたいと思います。以下に例を掲載します。

 

「今日は売上が多かった」 ⇒「今日は60万円の売上が上がった」

「このシャツはよく売れている」 ⇒「このシャツは仕入れ20枚のうち17枚売れている」

「カラーコピーを禁止したら、コピー代が随分減った」 ⇒「カラーコピーを禁止したら、月のコピー代が10万円も減って、40万円になった(コピー代が20%も減った)」

「会社の残業代が大きく削減された」 ⇒「会社の残業時間が平均30分/人/日減ったので、社員50人の残業代が2,000円/人/時×0.5時間×20日×50人=100万円/月も減った」

 

2. 会社の数字は「入」と「出」しかない

財務を勉強すると、「売上」、「売上原価」、「粗利益(売上総利益)」、「販管費」、「営業利益」、「経常利益」、「資産」、「負債」、「純資産」など、多くの専門用語が出てきて、覚えきれないという人もいます。これは数字の「全体像」を理解しないまま、細かな専門用語を無理やり憶えようとしているために起こる現象ではないかと思います。私も以前、同じような経験をしましたが、ある時から「会社の数字は意外と単純で、それほど難しくないのでは」と思うようになりました。それは、会社の数字は「入」と「出」しかなく、「入」より「出」が多ければ、「利益」が残るという極めて単純なことでした。貸借対照表(バランスシート)を扱うのは、会社の社長や経理財務担当者など一部の人でしかないので、ほとんどの人は、「入(売上)」と「出(コスト)」を考えていれば十分です。

 

「入(売上)」-「出(原価・販管費などのコスト)=「利益」

 

ここで大切なのは、「入」を増やすため、「出」を抑えるため、「利益」を増やすために、具体的に何をしたらよいのかを考え、実行に移すことです。

 

例えば、「売上100、コスト90,利益10」の会社が、来期売上が90に減りそうだとなったら、どのような手を打ちますか。「売上は10減るが、コストはこれ以上減らせないから、来期の利益はゼロにしよう」というのか、「売上が10(10%)減るのであれば、コストも10%の9減らして、利益を9残そう(90-81=9)」というのか。

 

コストを9減らすとすれば、具体的に、「どのコストをいくら、どのように減らそうか」を考え、「計画」に落とし込み、「アクション」を取らないといけません。「べき論」はいくらでも言えますが、会社の経営は「実行」なくして上手くいきませんので、「考えたら、即実行」、「ダメなら次の手を考えて、また実行」くらいにスピード感を持って動くことが重要です。