【第8回】人材育成の4つの手法

2026-08-25 09:52:37 経営コラム

人材育成がなぜ必要か。この人材育成については、論を待たないと思います。個人の成長が会社の成長や目標の達成、ビジョンの実現につながっていくからです。逆に、個々人が成長しなければ、会社の成長はおぼつかないでしょう。では、人材育成を進めるにあたっては、どんなやり方、手法を取ったらよいでしょうか。一般的には、人材育成には3つの手法があると言われていますが、私は常に、3手法に1つを加えて、以下の4つの手法を伝えています。 


1. OJT(On the Job Training)

2. Off-JT(Off the Job Training)

3. 自己研鑽

4. ジョブ・ローテーション(配置転換)

 

1. OJT

OJTとは、現場の仕事を通じて人材育成を行うことです。我々は現場の仕事ができてなんぼです。ですから、現場で仕事をしながら、社会人としてのものの考え方や仕事のやり方などを習得させていく必要があります。2~4の手法も大切ですが、人は最終的に、現場でしか育たないと考えて頂いても差し支えありません。OJTで大切なポイントは次回、説明したいと思います。

 

2. Off-JT

Off-JTとは、仕事から離れたところで人材育成を行うことです。具体的には、研修やセミナーを受ける、勉強会を行うなどが挙げられます。Off-JTについては、知識や定型業務のやり方を教える時に有効です。個人個人が現場で学ぶより、一堂に会した場で教えるほうが、コストも低く、手っ取り早く教えることができるからです。また、研修体系を構築し、階層ごとに受講する研修を体系化しておくと、効率的な研修受講につながりますので、人事部門が研修体系を構築することをお勧めいたします(気軽にご相談ください)。

 

3. 自己研鑽

会社がいくらOJTやOff-JTで人材育成を進めても、本人が自己研鑽する意思を持たない限り、成長にはつながりません。本人が自ら進んで、書籍や資格取得などで自己研鑽を図ればよいのでしょうが、会社として支援する体制を整えることで、自己研鑽を後押ししてあげることも必要です。通信教育やeラーニングを用意する、資格取得の費用補助を行う、資格取得後に手当を支払うなど、様々な方法が考えられます。

 

以上が人材育成の基本的な3つの手法ですが、私はジョブ・ローテーション(配置転換)によっても人材育成が大きく変わると考えており、人材育成の重要な手法の一つとしています。

 

4. ジョブ・ローテーション(配置転換)

ジョブ・ローテーションとは、配置転換のことです。人事異動と言えば、分かりやすいかもしれません。このジョブ・ローテーションは、2つの意味があります。

①   様々な部署を経験させ、「ゼネラリスト」として育てること。将来的に会社全体の経営を見る立場になってもらうことを期待する

②   経理財務やシステム開発など、特定の部署で専門性を磨いてもらい、「スペシャリスト」になってもらうこと

この場合、その人を将来的に、どのように育てようかという方向性(育成方針)をある程度決めておく必要があります。ただし、本人の希望や適性は、後で変わる可能性がありますので、柔軟に対応していけばよいです。ここで言いたいことは、社員一人ひとり、部下一人ひとりについて、将来まで(ある程度先まで)見据えたキャリアプランを検討することが大切であるということです。

 

最後に、人の成長に関して、もう一つ大切なことを記します。それは、「人の成長は振り返りの数に比例する」ということです。これは私が自分でつくった造語ですが、短い振り返りをたくさん行うことが、大きな成長につながるということです。毎月1回、60分の定期振り返りを行うか、毎日3分間の振り返りを20回行うか、どちらが有効だと思いますか。答えは、圧倒的に後者が人を成長させます。人事評価制度上の振り返りよりも、仕事に直結した日々のタイムリーな振り返りのほうがよほど、役に立ちます。

 

部下は自分を振り返り、言葉で表現する、上司はその振り返りに対してアドバイス、指導をしてあげる。この積み重ねが、「思考力(思考の整理)」、「説明力」、「知識」などを強化させるのです。私が実際に経験して、強く実感していることですので、皆さまにも是非、やって頂きたいと思っています。(執筆:現場経営の達人)