【第17回】マーケティングのSTPとは

2026-10-27 09:56:00 経営コラム

会社が「どこで戦うか」についてよく考えることは、会社の舵取りにおいて、極めて重要なことです。世界中でも、日本中でも、広いマーケットのどこでもいいから売ればよいという発想では、いつまでたっても勝つことはできません。「どこで戦う」かを明らかにする、つまり、自分たちが戦う市場の中で、標的、ターゲットを見定め、そこに対して、組織的に、かつ、集中的に、自社の製品や商品、サービスを売っていくことが、勝つためには必要不可欠です。

 

営業でよく見受けられるのは、個人別の売上目標を定めたら、後は各個人が勝手に営業して目標を達成するというやり方です。営業が目標に届かなかったら、上司は部下を詰めて、𠮟責するだけ。ここで問題なのは、組織として、どこでどうやって戦うかというマネジメントが全く存在せず、かつ、どうやったら売上が上がるのかについて、組織として知恵を絞ることもないことです。営業で大切なのは、営業責任者が中心となって、どこでどうやって戦うかを組織的に決め、皆が同じ方向を向いて営業活動をすることです。つまり、マーケティングは、営業各個人がやるものではなく、上に立つ人が中心となって、組織的に行うことなのです。

 

その時に、「STP」というフレームワークを活用すると整理しやすいです。私もこの「STP」というフレームワークは重宝していますので、是非活用してください。

 

① S(Segmentation):市場を細分化する

② T(Targeting):ターゲットを決める

③ P(Positioning):自社の立ち位置を決める

 

もう少し具体的に説明します。

 

① S(Segmentation)

大きな市場を一定の「切り口」で細分化することです。

例えば、

・日本/海外

・業種

・企業規模(大企業、中堅企業、中小企業、零細企業)

・個人/法人(BtoCかBtoBか)

・エリア(北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州など)

・民間企業/公的機関

・年齢層(中高年、中堅、若者、子ども、赤ちゃん)

・男女

などの切り口が考えられます。上記切り口2つをクロスさせて細分化することもできます。例えば、業種×企業規模、民間企業/公的期企業と企業規模などで細分化します。

 

② T(Targeting)

細分化された市場のうち、どこをメインターゲットするかを決めることを、ターゲティングと言います。営業においては、ターゲティングがスタートとなりますので、ターゲティングはマストです。私は営業のPDCAは、「T+PDCA」と言っています。つまり、営業は、ターゲットを決めて、計画を立て、行動量を上げることです。一般的には、ターゲットは細分化された市場のどこをメインターゲットにするかということですが、私はメインターゲットを決めたうえで、個社名が入ったアプローチリストを作成することまでをターゲティングと言っています。なぜならば、リストを作成しないと、営業はかけ声だけで、実際に行動に移さないからです。

 

③ P(Positioning)

ポジショニングとは、自社を業界の中で、どのような位置づけに置くかということです。これは、競合他社と「差別化」するうえで、大切な考え方です。技術的な差別化なのか、値段を安くして差別化するのか、品揃えの多さで差別化するのかなど、ライバルと差別化して、自社を市場やお客さまにアピールします。これまでの経験で言うと、ポジショニングや差別化を「言語化」できていない企業は多いです。例えば、「当社はWeb制作会社です」と言ったところで、「強みは何ですか」、「他社との違いは何ですか」と質問されても、「言語化」できていなかったら、答えようがありません。そうすると、お客さま、消費者から選んでもらないので、いつまでたっても、安定した売上、利益が上がらず、経営が苦しい状況が続くことになりかねません。自社のホームページや会社案内には明確に、自社の強み、特長を銘記し、自社の業界におけるポジショニングを明らかにし、差別化を図るようにしてください。(執筆:現場経営の達人)